5年目の定期検診を再発なしでクリア。観察期間終了で、消化器外科を卒業しました!

大腸がん(直腸がん3a)術後4年経過 定期検診の所感【ついでに色々と聞いてきた】

その他

2021年9月、術後4年目の最初の定期検診を行ってきました。

直腸がんの手術をしたのが、2017年8月。
過ぎてみれば、あっという間に4年が経ちました。

最近は、病気であったことをあまり気にすることもなくなり、苦しかった治療の記憶も薄れつつあります。
喉元過ぎれば熱さを忘れるといいますが、あれだけ苦しかった抗がん剤治療でさえ、時が経てば忘れてしまうんだなぁと。

そんな感慨はさておき、今回は4年目の検診結果の内容。
そして、疑問に思っていたこと

  • 排便障害は、どうにかならないのかと対処について。
  • 私の治療体験は2017〜2018年のものだけど、医療の進化によって、内容は時代遅れの話になっていないか?

など、診察の際に聞いてきたので、ご報告がてら、まとめていきます。

大腸がん(直腸がん) ステージ3a 経過観察4年目の診察

手術から4年目、1回目の定期検診は、採血と造影剤を使ったCT撮影でした。
9月の第2週に採血とCTをやって、その次の週に診察で結果を聞く流れ。

結果から言って、血液検査・CTともに特に異常は見られないとのこと。
このまま行けば、目指していた「ハッピーエンドの大腸がんブログ」を達成できるんじゃないかと思います。

4年経って異常がなければ9割大丈夫

あらためて医師から、術後4年間異常が見られないので9割方大丈夫だろうと話をされました。

大腸がんの治療後、再発してしまった人のうち93.2%が3年以内、91.6%の方は4年以内に再発しています。(表7 大腸癌治癒切除後のStage別再発率と術後経過年数別累積再発出現率 参照)

つまり、再発するならもうしてる(ケースが大半)。
もちろん、4年目以降に再発するケースが1割ほどあるので、安心というわけではありませんが。

ちなみに、なんで再発の大半が3年?と思って医師にその根拠について聞いたところ、

稀に非常に成長が遅い腫瘍もあるけれど、
一般的な腫瘍の成長速度を考えた場合、3年ぐらい経つとCTなどで観察できる大きさになるだろう という認識でいいそうです。

がんの経過観察は5年で終了

標準治療では、がんは手術から5年間、再発や転移がないかを経過観察することになっています。
5年間異常がなければ、いわゆる「寛解」というやつで通院は終了。

なので順調にいけば、半年後の2022年3月と、手術から5年経過後の9月ごろに最後の検査の
計2回で、長かった私の大腸がん治療は終了となります。

以降、「次の検診は〜」というものは無く、健康な人たちと同様に自発的に健康診断などで異常がないかと健康維持に務めることになります。

永いようで短い、短いようで長い5年だった。
まだ終わってないけど…。

私の場合は、経過観察中に見つかったバッド・キアリ症候群とみられる症状を観察するため、引き続き半年ごとに検査することになります。

今回の検査料金

検査、診察と別日だったので、会計も2回分。
合計 10,740円でした。

2021/9/8採血、CT(造影剤使用)9,410円
2021/9/14診察1,330円
合計10,740円

半年おき、病気の観察とはいえ、1万円が飛んでいくのは地味に痛い。

ちなみに、CT(造影剤使用)だけで、2,869点。
2,869点 × 10円 ÷ 3割 = 8,607円。
結構しますが、CTの撮影機械は1台で10億とかするらしいので仕方ない…。

大腸がん治療の気になっていたことを聞いてみた

これまで疑問に思ったことがあっても忘れてしまったり、いざ医師を目の前にすると真っ白になって「質問はありますか?」と言われても「あー…。何もないです」と疑問を流しておりました。

今回は事前に聞こうと思ったことをメモで残し、聞いてきました。

排便機能の障害について

手術後から続いている、いわゆる「排便障害」は、4年経った今も続いています。

内容としては、主に2点。
便意が生じたら、我慢の余地なし。いきなりMAXの便意が襲ってくること。
一度でスッキリ出ず、小出しに短時間で便意→トイレを3~4回繰り返して、やっと落ち着く。
という困りごと。

腸の状態が変化したのか、慣れて付き合い方が分かってきたためか、初期ほどの煩わしさはありませんが、はやり面倒です。

この障害については、日本大腸肛門病学会のサイトに詳細な説明がありますが、直腸がんの切除をした多くの方に生じます。

直腸癌術後の排便障害|市民のみなさまへ|日本大腸肛門病学会

で、この問題はどうにかならないもんでしょうか? と聞いたところ、

「これは、残念ながら治らない」

とのこと。

直腸は便を溜める働きをしており、手術で直腸を切除したことで溜められる量が減るため、すぐピンチになってしまう。

また、スッキリ出ないのも構造的な問題で、
本来、排便時には腸を引き上げてお腹の力をかけやする仕組みがあるのだが、大腸の一部が欠損することで機能が損なわれてしまっている。
これにより排出が上手くいかず、何度も行く必要が生じてしまう。
このことで、急な便意や漏れの危険により、長時間の外出がしづらくなって多くの方が悩んでいるのが実情。

徐々に改善するとはいえ、内蔵の一部が損なわれた以上どうしようもないとのこと。

ちなみに、下剤で出してしまうのはどうか?と聞いたところ、
出てしまえば問題ないことなので、いいと思うとのこと。

一生付き合って行かねばならないので、各自工夫して付き合っていくほかない。

山登りが趣味のある患者さんは、登山中はトイレが無かったり、急な腹痛でも行くことができないため、事前に下剤で出し切ってしまってから登山に向かうそうです。
また、ほかの患者さんは、食べてから出るまでの時間を計算し、出かける予定があるときは食事量を調整するらしい。

という返答でした。

前に担当医から聞いた「便を溜めるところが無くなってしまうが、しばらくすれば一部が膨らんで溜めるところができる」という話や、前述の日本大腸肛門病学会のサイトにある「症状は数か月から数年かけて徐々に改善します。」という記述から、完全に治らないとしても、時間をかけて少しずつマシになると思われます。

しかし、4年経っても結構面倒な状況は改善しないので、困ったものです。
まぁ、なってしまったものは仕方ないとして、工夫しながら過ごしていくしか無いようです。

流すとき、いつも右にあるけど何なのか

問題は無いのですが、大をしたとき、いつも右よりにあるのがなんとなく気になっていたんです。

これは個人差としかww という感じで、体内で大腸がどのように癒着しているかで、出る角度がそうなっただけということで、問題は無いとのこと。

私の経験談は時代遅れの情報になっていないか?

このブログの情報は、2017年ごろの体験が主となっています。
医療技術は日進月歩なので、4年経った今は全然違う治療が行われていて、情報が古くて意味がないことになっていないかと不安に思っていました。

聞いてみると、治療法は4年前と大きく変わっていないとのことでした。
多少の差異はある部分もあるようですが、腹腔鏡手術で切除・吻合、抗がん剤もゼロックスが多く使われているとのこと。

むしろ、医師から治療法が進歩して無くて申し訳ないぐらいの話をされました…。

数年前の情報ではありますが、当サイトの情報は今でも参考になるようです。

最新の大腸がん治療について

抗がん剤治療について、以前と変わったや、これからの治療法についても伺うことができました。

あと今後、治療の流れが変わる可能性もあるとのことです。

まだ検討段階らしいですが、術後に抗がん剤治療を行うのではなく、術前に行う方向にシフトするかもしれないとのこと。

従来、抗がん剤治療でゼロックス療法をやる場合、どのようなステージの方でも8クール、約半年の化学療法を行ってきましたが、最近では再発の可能性が低い場合には、半分の4クールで行う場合もあるとのことです。

ちとうろ覚えですが、現在の抗がん剤の使い方よりも再発率を下げるため、より強い薬を使ったりしてみたが、再発率に優位な結果が得られなかったそう。
逆に、抗がん剤を術後ではなく術前に行うほうが、再発率が下がり助かる人を増やせるんじゃないかというコンセンサスができつつあるらしいです。

と、まだ先の話らしいですが。

普通に考えたら早く腫瘍を無くした方が再発しない気がしますけどね。人体はふしぎ。

減圧ドレンの使用について

メールで問い合わせいただいた方から術後、お尻に減圧ドレーンが刺さっていたと伺いました。

私は術後、お尻には何も付いていなかったので、この差は何だろう?ということで、聞いてみました。

ちなみに減圧ドレンとは、腸内の圧力を下げるための医療器具。

下記サイトに詳しく書いてありますが、

直腸がん術後の吻合部の減圧をはかる新型ドレーンを開発 産官学連携による開発・上市・評価のモデルケース
国立がん研究センターのホームページです。

直腸がんの手術後に起こる一番の問題は、切断した腸を縫い合わせた部分が解けてしまう「縫合不全」です。

傷口がちゃんと繋がるまでは、あまり圧力をかけると解けてしまうが、排便時には強い圧力がかかってしまう。
それを避けるため、肛門内にチューブを入れ、気張らなくてもガスや便が排出されるようにするものです。

この減圧ドレンの使用は、縫合部が肛門からどれくらいの長さかで変わってくるらしく、縫合部と肛門から10センチくらいが、使用の判断の境となるようです。

相談いただいた方は、10センチ以内なので使用され、
私は10cm以上あったので使われなかったという感じみたいです。

ex.腎臓に異常があると、造影剤は使えないらしい

がんとは直接関係は無いのですが、
4年経っている今回の検査で初めて、CT撮影の際に血液検査の結果を求められました。

私の通う病院ではCTの時間は決まっていますが、
血液検査の時間は指定はありませんので、
CTの1時間くらい前に病院に行き、採血をした後CTを受けに行っていますが、
これまではすぐ撮影してくれたのに、今回は初めて採血による血液検査の結果が出ないとCTが撮れないと言われました。

というのも、CTで造影剤を使う場合、
半年以内の血液検査で腎臓に異常が無いと確認できないと実施できないとのこと。
4年目で初めて知ったよ…。

前回から定期検査は半年ごとになったので、半年以内の検査結果が無い状況になっていました。
ということで、直前に行った採血の結果が出るまで1時間ぐらい待つことに。

いつもなら採血とCT合わせて1.5時間程度で終わるはずが、3時間くらいかかりました(大半が待ち)。
また、CTの予約時刻を大幅に超えることに。

病院によると思いますが、
定期検診が3カ月ごとから半年になった後は、CTの1時間前には採血を終えるよう動くと、効率的に検査が受けられると思いました。

おわり:がんって大変だな

4年経っての定期検診を受け、とくに異常なしとなりました。
次の検診は、半年後の2022年3月。また無事に過ごせることを願います。

再発の可能性を気にしながら、何年もかけて治療を行うのは、心理的ににも金銭的にも大変だと改めて感じます。
同じ苦しみを味わう人を減らすには、どうすればいいか?ということを考えてしまいます。

病気に限ったことではありませんが、やるべきことを先送りしたツケは、大きな負債になって返ってくる。
あの最初の下血で検査していれば…。あのときチャレンジしていれば…。あのとき勉強していれば…。
一事が万事、せっかく拾った命を大切にしたいところです。