5年目の定期検診を再発なしでクリア。観察期間終了で、消化器外科を卒業しました!

大腸がん 手術入院の期間とスケジュール【直腸がん ステージ3a】

大腸がん 入院・手術の話

大腸がんで、これから入院される方。あるいは身近な方が入院される方。

不安なことが多々あると思いますが、先立つ手術入院が、どれくらいの期間で、どんな流れになるか気になるのではないかと思います。

今回、私が入院した際はどうだったか というのを詳細にお伝えし、知らないことによる不安を多少でも緩和できればと思います。

もちろん、手術入院の内容は人それぞれ病状や病院によって異なってくると思いますが、手術して回復を待って退院という形は変わらないと思うので、モデルケースとしてご覧ください。

■実体験に基づいてお話しております。

私は2017年に大腸がんが見つかり、入院・手術をしました。
診断は直腸がん ステージ3aとなり、半年の抗がん剤治療を受け、現在は経過観察中です。

闘病の概要は下記記事にまとめています。

本ブログは、私の治療体験に基づいて残している記録や記憶をもとに書いています。

統計的な情報や、検索でかき集めた情報が多い中、実体験に基づく一次情報として参考になるのではと思います。

■一般的に入院期間は2週間程度

まず一般的なお話から。

国立がんセンターのサイトによると、大腸外科の在院日数として、

(1)結腸の悪性腫瘍 結腸切除術 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 13.30日
(2)直腸肛門の悪性腫瘍 肛門悪性腫瘍手術 切除等 処置2なし 副傷病なし 14.86日
(3)直腸肛門の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術等 処置2なし 副傷病なし 10.97日
(4)直腸肛門の悪性腫瘍 骨盤内臓全摘術等 処置2なし 26.37日
(5)結腸の悪性腫瘍 結腸切除術 処置1なし 処置2なし 副傷病:肺炎等 21.06日

というデータがあります。

私のように直腸がんのみの手術であれば、順調に行って2週間程度です。
転移や別の病気があれば、26日などと増えています。

緊急入院でもない限り、入院=即手術とはならず、手術の説明・準備などのための日が設けられます。入院開始は、だいたい手術の数日前になるでしょう。

そして手術が終われば、後は異常がないか観察しながら、回復を待つのみです。

なので、大まかな流れは、

入院 → 準備や説明 → 手術 → 回復と経過観察 → 10日後ぐらいで退院

というのが一般的かと思います。

■私の場合は、入院12日で3日目に手術

私の場合も事前に「問題なければ入院は2週間くらい」という話がありました。

実際、術後に特に問題なく回復したのと、暇すぎる&金がかかるので早めの退院を希望したため、入院から退院まで12日でした。

入院時の主なイベントとしては、

1日目入院当日。
13時頃 説明を受けて入院。
2日目手術や麻酔に関する説明、点滴針の固定等の手術の準備。
3日目手術当日。
手術終了後、SICU(集中治療室)で経過観察。
4日目経過観察で異常がなかったので、
夕方頃、一般病室に移動。
5日目3食が流動食。
まだ普通に起き上がれない。
6日目携帯麻酔が終了。
尿道カテーテルも点滴も外れ、普通の食事に。
起き上がるのにも慣れてきて、歩き回れるようになる。
7日目便通が復活して行ったトイレで血が出ない事に感動。
ほぼ普通の体に。
8日目〜
11日目
動けるし疲れてもいないので、ひたすら暇。
寝たり、病院内を歩き回ったり、インターネットで暇を潰す。
2日に1回、採血と血栓予防のためのスゲー痛い注射を打たれる。
12日目午前中、退院。

と、3日目の手術からの残り9日間は、病巣が取り除かれて下血等から開放され、日に日に普通になっていくので、ヒマすぎて早く退院したいと思っていました。

12日間を細かく見ていきましょう。

・入院初日(8月2日)

指定されていた午後13時ごろに、入院受付用の窓口へ。

そこで病室が決まり、入院の基本的な説明を受けました。

身長・体重・体温・血圧を計って、入院に伴う様々な書類などをもらって、以降は特にすることなく。

夕飯に初の病院食を食べました。この時点では普通のメニューです。

夕方、担当医があいさつ来て、慣れない状況の中で少し安心。

・入院2日目(8月3日)

病院の朝は早く、5時半くらいから電気がついて一日が始まり、6時ちょい前くらいからナースが各患者を回ります。

朝から食事が流動食に。具のない汁物だけで、以降禁食に。
手術前日なので、大腸内を空っぽにする必要があるためです。

採血、血圧・体温計測をした後、
点滴の針を刺すと風呂に入りづらくなるため、朝9時頃にシャワーを浴びました。

その後、点滴針を差し込みました。
基本的に針は挿しっぱなしで、点滴のたびに抜いたり刺したりはしません。

赤い十字の部分は蛇口のように栓を開け閉めでき、点滴からのチューブを繋げ栓を開けて薬を通したり、点滴をしないときは栓を閉めた状態で身軽に。

点滴のたびに抜いたり刺したりはしません。

食事が無い時は点滴をするシステムのようで、昼食代わりにビーフリードという点滴を2袋受けました。

以降、点滴ポールと共に行動することになりますが、結構ジャマです。

その後、13時半から麻酔に関する説明を受けに、麻酔科に行きました。
全身麻酔は稀に重篤な状態になることがあるため、その説明や麻酔を受ける際の体を丸める姿勢の練習などをしました。

18時頃、体温・血圧を測り、食事代わりの点滴。

その後、白い環がいっぱい入ったカプセルを飲みました。
これ以降、食事をしていないというマーカーだそうです。

・入院3日目(8月4日)手術日

朝から、でっかい注射器で浣腸をされる。

「我慢してトイレに行ってくださいと言われ」しばらく耐えてから行くも、ちゃんと禁食していたので、入れられた液しか出なかった。

前が開けやすいように指定された浴衣と、渡されたストッキングを履いて待機。
ストッキングは、エコノミー症候群防止用だそう。

八時くらいに手術室へ。

入院した病院の手術室はリニューアルしたばかりだったので、ピカピカ。
衛生面からか、壁面の大半がステンレスっぽい感じで、宇宙船の内部のようだった。

促されるまま、下着一枚で手術台に。

練習通り背中を丸めて麻酔を受ける。
背中の背骨の隙間あたりに刺すのだが、なんだか何度も刺し直される。
そして探るように動かされる…。

3〜4回やられたところで、他の人が代わって一発で終わった。
大学病院だからか、練習台になったようだ。

その後、口にガスの出るものを当てられた後、

「麻酔で眠くなります」

といわれ、お決まりの「麻酔に抵抗してやるぜ!」と思いましたが、数秒で視界がぼやーっとしてきて…。

直後に「終わりましたー」と声をかけられているのに気づいたときには手術が終わっていた。

体感的には一瞬落ちた感じでしたが、実際のところ数時間経っていました。
痛みは全く無いが、頭がボヤーッとし、体がすごく重くて動かない。

術後の容態を見るため、SICU(集中治療室)へ、ベッドに載せられ移動。
全身麻酔後は、大抵そうなるようです。

うっすら時計を見ると、13時半ごろ。
3〜4時間程度の手術だったよう。

執刀してくれた先生とは会うことなく、そのまま夜に。

たくさん寝ているため、周りが消灯するも眠くない。
ヒマだが、手術だったのでスマホなどもなく。

また、ベッドとの接触面が熱くて痛くなってきても、うまく体が動かせずモゾモゾ。

仕方なく断続的に無理やり寝ながら、まだかまだかと一晩過ごす。

・入院4日目(8月5日)

すりガラスの何も見えない窓だが、外が段々明るくなってきてるのが分かる。
待望の朝。

相変わらず、姿勢変更すら困難。
腹筋に力が入らなくてどうにも動けない。

看護師さんがヒマを察してくれたのか、テレビ見せてくれた。
自分とは関係なく世界は普通に回っており、普通のワイドショーだった。

8時くらいに、レントゲン撮影のために車イスで輸送された。
普通に一人で立つことができず、大変だった。

またSICUに戻り、少し経って歩行訓練。
普通に立つことができず、壁面の手すりに腕力全開で、なんとかロボットのように歩く。
ただ、C3POやASIMOに負けるレベルで、腹筋の大切さを味わう。

その後ナース2人に、「体をキレイにします」と全裸にされ、体中を拭いていただく。
特に股間は専用の洗剤か何かで念入りに洗われた…。
恥ずかしさから「トイレとか行ってないんで、やんなくていいです…」と言うも、「決まりなので」と。
人生でMAXはずかしかった。

その後、11時頃に一般病棟へ戻ることになり、車椅子で運んでもらう。

ベッドで横になるも、とにかく動けん。
点滴うけながら、断続的に寝ながら過ごす。

水が飲みたくて奮闘するが、固い蓋が開けられず断念無念。
ペットボトルの蓋を開けられないほど、腕の力が入らない。

この頃、やっと落ち着いて、気づけば左手の甲に点滴の針が増えて2つに。
ヘソの左下あたりからは、血?が排出されているチューブが出てる。
股間には尿道カテーテルが知らぬ間に入っている。
手術時に麻酔を刺された背中からチューブが伸びていて、首から下がっている謎ボトルにつながっている。
全身麻酔中に色々追加されたようす。

食事は点滴だし、尿道カテーテルも入っているのでトイレに行く必要もなく。
ひたすら寝て過ごした。

・入院5日目(8月6日)

朝、重湯ながら食事が再開する。
食事のためとはいえ、起き上がるのが大変。

この日以降、2日おきに血栓防止の注射を受ける。
筋肉注射なのか、これが結構痛かった。

首から下がっていたボトルは痛み止めで、ボタンを押すと一定時間薬の量が増えるもの。

痛くなったらブースト。
ロマンを感じる。

カーアクション映画の「ニトロ」ボタンを押す感じで、縫合部に違和感を覚えたらポチッとして、ちょっとアガりました。

午後、また体洗浄になってナースにお断りしたけど、結局ちんこ洗われた。

相変わらず上手く動けないが、先生が「筋肉は切ってないですけどねぇ…」という話にのせられて、食事や暇つぶしのために腕だけで手すりを登るように立ち上がるコツを得る。

さらに夜、便意に襲われ何度もトイレに行くことで、強制リハビリになったようで、割と動けるように。トイレでは、とにかく尿道カテーテルが邪魔だった。

手術から2日。
起きるのはしんどいが、歩くのには抵抗なくなりました。

頭が脂っこい
尿道カテーテル、背中のチューブは、明日はずれるとのご託宣をいただく。

・入院6日目(8月7日)

朝食が、固形の食べ物に変わってきた。
米は五分粥でしたが、豆腐や野菜、みかんなどが出ました。

朝から採血し、自力でレントゲンに行くなど割とましに。
腕の点滴針が全部外れて、針の違和感から開放。

続いて夕方には、首から下げていた痛み止めボトルの薬剤が切れたので、背中のチューブも外れて身軽に。

あとはヘソの左下から出てるチューブと、尿道カテーテルのみ。

この日、尿道カテーテルも外れるはずでしたが、抜くときにキズ付いたら診れる先生がいないので、翌朝にすると言われオアズケに。
もう自力でトイレ行けるし、すごく違和感のあるので一番取ってほしかったのですが、一番最後に。

3食おかゆ。

・入院7日目(8月8日)

朝食がパン。
昼夜は普通に白米が出るように。
この日から、食事は普通になりました。

朝から尿道カテーテル外してもらった。
すこし痛かったのと、しばらく尿がしみる。

その1時間後くらいに、ヘソの左下あたりから出ていた血抜きチューブ外しにきてくれた。
あと2〜3日は差したままと言われたのですが、あまり出血が無いとの判断だそう。

このチューブの穴は縫合とかせず、自然に塞がるのを待つとのことで、ビックリ。
腹に穴開いててOKなのか…。

手術から4日。
繋がっていたチューブや針は、全部取れました。

夜、これで最後と言われつつ、血栓予防の注射を受ける。

基本的に復活してくるけども、やはり腹筋が心もとなく、トイレでも気張れない状態。

・入院8日目(8月9日)

朝から採血やレントゲン撮影するも、以降は何の予定もなし。
ヒマ。

治療のプロセスを一通り終え、特にすることがなくなる。
敢えて一番遠いトイレに行ったり、院内を探検したり、売店に行ったり、ロビーで風景を眺めたり。

  • 2日おきに、採血される。
  • ナースは、朝九時頃に日勤夜勤が交代する

などに気づき始める。

そして、退院の話がチラホラし始め、13日退院が濃厚に。

・入院9日目(8月10日)

屋上の洗濯コーナーで洗濯した。

ヒマ2。

・入院10日目(8月11日)

入浴した。

ヒマ3。

・入院11日目(8月12日)

翌日の退院が確定。

テレビカードを精算したりと、荷物をまとめ、退院の準備。

・入院12日目(8月13日)

午前10時ごろ退院。
久しぶりの自宅は、何か新鮮な感じがしました。

ということで、後半の1週間は体力を持て余し、早く帰りたいという毎日でした。

■あると便利なアイテム

二週間も病院で過ごすので、いくつかアイテムがあると快適度が上がります。

入院して、持っていって助かったり欲しくなったアイテムを以下紹介します。

・耳栓

個室なら不要かもしれませんが、相部屋の場合、ぜひ用意したほうがいいです。

ベッドで延々と電話をしたり、イヤホンをせずにテレビを見る人、爆音のいびきの人、夜中に延々独り言を言う人。色々な人と一緒になります。

それにより気が削がれたり、寝れない日もありましたので、特に夜。必須アイテムでした。

・延長コード

使っていいコンセントがベッドから離れていたり、複数機器を持っていると口が足りないことがあります。

2m程度の3つ口延長コードがあると、だいぶ幸せになれます。

・S字フック

欲しくなって、入院中に購入しました。

うまく動けない期間では、ちょっと離れたテーブルの物を取るのも大変でした。

ベッドの手すりにコンビニ袋や巾着に入れて必要な物をかけておくと、だいぶ楽になります。

・ビニール袋

洗濯物や入浴後のタオルなど、濡れたものやゴミなど、袋に入れたいものが結構生じます。

レジ袋のストックなどを、いくつか持っていくと便利です。

■荷物は一部現地調達がオススメ

おそらく入院前に必要なものや、注意などの説明があると思いますが、歯磨き等の日用品のたぐいは病院の売店で結構売っていますので、入院時の荷物を減らすために現地調達という選択肢もあります。

私の場合、T字帯や腹帯が必要と言われましたが、病院売店で売っていると言われたので現地調達しました。

また、病院によっては洗濯機があるので、2週間分の大量の衣服を持っていく必要はなかったりします。

また、パジャマやタオルは、日額500円とかでレンタルできる場合もあるので、病気なのに洗濯等に気を病まずに済むレンタルを利用するのもいい気がします。

入退院時に楽になるので、下見をして荷物を減らすようにするのがオススメです。

■おわり

以上、私が入院した際、どのような感じだったかをまとめました。

人により多少の差異があり、お尻に減圧バルーンが入っていたり、手術後1カ月くらい声がかすれて上手く出ないなど色々あるようです。

手術により悪いところがなくなるため、術後は元気になります。
しかも上げ膳据え膳で、基本的に安静なので体力も減らず、好きなだけ寝れるので眠気もない。テレビもおもしろくない。

となると、暇になる。

私はタブレットで漫画を読みまくり、スマホでネット見まくりで多くの時間を過ごしましたが、それも飽きてきて、院内を散歩したり、敢えて遠いトイレに行ったりして暇を潰しました。

スマホを始め、暇対策品を持っていても、日が経つにつれ結局は暇でたまりませんでした。

この頃になれば退院は間近で、耐えるしかないです。

健康を取り戻し、暇を感じる入院後半。
持て余す時間を使って、改めて人生のことを深く考えるのに丁度いいと感じました。